マイナス金利で史上最お得?住宅ローンは「固定金利」がおトク!

日銀によるマイナス金利発表以降、注目が集まっている住宅ローン金利。マイナス金利を受けて、これまでになく低い金利を見て今がチャンスと感じている人、あるいは「今後さらに下がるのでは?」と今後の動向を期待感を持って見守っている人も多いのではないでしょうか。
ただ、たとえマイナス金利の影響で金利が下がっても、やはり迷うのは「変動金利」と「固定金利」の選択かもしれません。これからの住宅ローンはいったいどちらを選択すべきなのでしょう?

そもそも、いったいどんなときに固定金利は有利?

「固定金利」タイプは、借りるときの適用金利が、完済までずっと一定で”固定”されるタイプものです。だとすれば、適用される、つまり固定される金利は低ければ低いほど有利となります。

ですから、将来、今よりも金利が上がるともしわかっているなら、変動金利ではなく今の低い金利をずっとキープできる固定金利が有利というわけです。一方、今の低い金利水準が続いたり、今よりもさらに金利が下がっていくような場合には変動金利が有利になります。

実際は金利の状況だけでなくライフプランなども考慮して、どれくらいの期間で返済していくかという視点で固定か変動かを考える必要があります。しかし、マイナス金利時代、一番金利が低いところをもしキャッチできるならば固定金利はおトクといえそうです。

1番低い金利をキャッチできる?

それならば問題は、はたして一番金利が下がったところをうまくキャッチできるのか?今の金利が本当にこれから先も一番低いのか?ということになります。そこで気になるのが今後の金利予測です。

よくある質問が、「では、金利が下がりきるまでは変動金利で借りておいて、金利が上がりそう(つまり今が底)と思ったら固定金利に借り換えればいいのでは?」というものです。たしかに、それが実現すれば最も合理的な方法に思えますが、じつはこれを実現するのは難しいのです。

なぜなら、一般に変動金利よりも固定金利の方が先に動く傾向があるため、金利が上がるとなれば固定金利の方が先に上がってくるからです。”上がりそうになったので固定金利へ”と思っても、その固定金利は先に上がってしまっているというわけです。

なぜこのようなことになるのか?というのは、それぞれのもととなる金利が違うことによります。固定金利は、マーケットで動いていく長期金利(10年物国債利回り)、変動金利は短期金利(短期プライムレート)をもとに決定され、この短期プライムレートは政策金利の影響を受けます。

そして、マーケットで動く長期金利(10年物国債利回り)のほうが、世の中の動きや経済状況を敏感に映し出し、何かあればいち早く動いていきます。固定金利はこれに連動していくのです。一方で、政策金利は、世の中の動きや経済状況を踏まえ今後の金融政策をもとに決定の判断が下されますから、政策金利の方が動きは遅くなりがちです。

実際の動きのデーターは?

固定金利が、長期金利(10年物国債利回り)をもとに動く傾向があるというお話をしましたが、実際にはきっちり+何%というふうに機械的に連動しているわけではありません。ある程度の幅をもって連動してゆきますが、例として、固定金利の代表格ともいえるフラット35の平成25年(2013年)4月からの金利推移(返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下)[表1]と10年物国債利回りの推移[表2]の比較で見てみましょう。
[表1]
h1
(住宅金融支援機構 フラット35HPより)

[表2]
h2

(財務省HP 金利推移データより筆者作成)

たとえば平成25年(2013年)からの数値を比べてみると、フラット35の金利は、10年物国債利回りに+1%強~2%までの間で推移しています。マイナス金利発表前の平成28年(2016年)1月28日の10年物国債利回りは0.229%。発表後の1月29日が0.104%。翌日の2月1日には0.068%まで低下し、2月の月末には-0.056%にまで低下しています。これを受け、フラット35の金利は2月適用分が1.48%だったのに対し、3月適用分は1.25%(いずれも金利幅のうち最低金利)まで下がってきています。
10年物国債利回りはさらにその後も下がり続け、3月25日には-0.1%まで下がりました。この影響をうけて4月のフラット35金利も相応に下がってくると見られます。
実際のフラット35の金利は10年物国債利回りを参照してその他の様々な要素を総合的に勘案して決定されるとのこと。そのため、その連動には幅があるものの、発表される10年物国債利回りをウオッチしていくと、ある程度は金利予測のあたりがつけられるのではないでしょうか。

マイナス金利時代も固定金利のメリットは変わらない

冒頭にも書いたとおり、固定金利のメリットはなんといっても完済までの長い間に適用される金利がずっと一定ということに尽きます。金利がずっと同じということは、毎月の返済額が20年経とうと30年経とうと変わらないということ。ですから、返済計画、つまり”家計の予定”は立てやすくなります。マイナス金利導入により固定金利も低下している今、この水準で先々の返済計画が確定できるのは、例えば、まだ子どもが小さいのでこれからかかるお金がふえそうというライフプランを意識すべきご家庭などでは大きなメリットとなるはずです。

ただし、メリットがある反面、気をつけておきたいこともあります。この固定金利を選ぶ際の注意点を、こちらの記事(→「マイナス金利時代に「固定金利」で住宅ローンを組むとき気をつけたいこと3つ」)でまとめてみました。ぜひこちらもご覧ください。

著者
fukusima
福島 えみ子

リュクスセオリーFPサロン 代表
ファイナンシャル・プランナー(C FP®・1級FP技能士・住宅ローンアドバイザー((財)住宅金融普及協会))

複数の銀行を経て、相続、金融、不動産等の民事案件を扱う法律事務所に転職。その後、独立系FP会社にて勤務。数百件の個人相談を担当すると共に、セミナー、執筆と幅広く活動。2014年独立。相続・資産運用・住宅相談・リタイヤメントプラン等を得意とし、個人相談にも力を入れる一方で、セミナーや企業研修、執筆を通じてわかりやすくお金の知識を発信することに注力している。

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