マイナス金利で住宅ローンはどうなるの? 今更聞けないこの状況を簡単解説

2016年1月29日、日本銀行は政策決定会合においてマイナス金利の導入を決定した、と発表しました。日本では前例のないマイナス金利の導入に、様々な情報が飛び交っていますが、私たちの生活に具体的にどういう影響があるのでしょうか?銀行預金は?住宅ローンは?
ここでは、多くの方が気になっているであろう住宅ローンへの影響について考えていきたいと思います。

マイナス金利の住宅ローンへの影響は?

マイナス金利による私たちへの影響で、もっとも大きいメリットの一つが住宅ローン金利の低下です。マイナス金利導入の発表と前後して、すかさずいくつかの金融機関では変動金利の適用金利を下げると発表しました。大手金融機関は過去最低の0.6%台、ネット系金融機関も0.5%台前半まで下げました。4月以降は更に下げる金融機関も出てきています。
2月9日に長期金利がマイナスを記録したことを受け、固定金利の代表であるフラット35の適用金利も、3月に過去最低の1.25%(併催期間21年~35年・融資率9割以下の場合)となり、前月から0.23%もの下げ幅でした。0.23%と聞くと大した差が無いように感じるかもしれませんが、仮に3000万円を35年で借り入れたとすると、総返済額は約140万円もの差が出ます。現在、たまたま住宅購入予定だった方には大きな朗報と言えるでしょう。

さて、ここで気になるのは自分たちの住宅ローンへの具体的な影響かと思います。これは
①これから住宅ローンを組む方
②現在住宅ローンを返済中の方
でそれぞれ影響や、取るべき対応は異なってきます。住宅ローン金利の低下は確かにメリットですが、気を付けるべき点を見落とすと、かえって大きなリスクを抱えることになります。
この記事では、これから住宅ローンを組むであろう住宅購入を検討する場合の注意点について見ていきます。

マイナス金利で住宅は買い時!?

現在、住宅購入を予定されている、あるいは検討されている方のなかで間違いなくメリットになるのは、既に購入を決定していて且つ3月中に融資が実行された方です。勘違いされている方も多いですが、住宅ローンの適用金利は、金銭消費貸借契約や借入申込をした月ではなく、基本的にはその融資が実行された月の金利が適用されます。したがって、住宅の売買契約や金融機関への借入申込、金消契約が2015年中であったとしても、実際に金融機関から融資額が振り込まれるのが3月中であれば、マイナス金利後の市場最低金利の恩恵がうけられるのです。

マイナス金利下における住宅ローン借入の注意点

逆に注意が必要なのが、まだ購入するかどうか検討段階の場合です。
マイナス金利発表後、ニュース番組等でも盛んに放映されていたのが、「マイナス金利の今が買い時」というフレーズで、この流れに乗って「いま買わなければ損だ」と考えるのは早計です。

理由のひとつは、先に述べたように、適用される金利は融資実行月になるという点です。新築マンションや注文住宅の場合、実際に引き渡しになるまでは時間がかかりますので、低金利だからと購入しても、融資実行されるときに今の金利と同じだとは限らないのです。可能性としては高くありませんが、売買契約を結んでから引き渡しまでの間に、金利が急上昇することだってあり得ます。
もうひとつの理由として、低金利に惑わされると、将来設計と資金計画を見誤る可能性があるからです。

ポイントはライフプランと資金計画

将来設計という観点では、ご自身やご家族のライフプランを考えたときに、そもそも本当に持ち家が必要か、ということです。
・転勤、海外勤務
・出産
・実家で両親と同居
など、将来的に、これから購入しようとしている住宅が必要なくなる、或いはライフスタイルに合わなくなる選択肢が考えられるのであれば、慎重になった方が良いでしょう。

資金計画の点では、本来借りてはいけない額の借入をしてしまうことのないよう注意が必要で、無理なく返済していける月額の範囲内かどうかが問題です。無理なく返済していける月額が100,000円なのに、金利が低くなったからと言って無理をして購入に踏み切ってしまうようなことは避けたほうが無難です。金利が下がったような場合でも、無理なく返済していける月額の100,000円を基準に借入額を決めるようにしましょう。
低金利になったからと言って、不用意に予算を引き上げてしまわないよう留意する必要があります。でないと、せっかくの低金利の恩恵が、かえって首を締める結果に繋がりかねません。

過去前例のないほどの低金利ですが、その流れにただ流されるのではなく、このような時期だからこそ将来の家族の生活設計(ライフプラン)や未来の家計収支を想定しておくことが大切です。

著者
wakamatsu
若松 達也

有限会社クレスト 代表取締役CFP®(ファイナンシャル・プランナー)
1級FP技能士
トータルライフコンサルタント(生保協会認定FP)

外資系保険会社、生命保険代理店勤務を経て現職。延べ1000件以上の家計相談の経験の中で、特に子育て世代のライフプランニングを得意とする。住宅購入の際、自分自身が非常に苦労した体験から、住宅ローン相談には特に力を入れるようになる。個人相談はもちろん、住宅ローンセミナーなどを定期開催し、安心で安全な住宅ローンプランの助けになる活動に注力している。

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