マイナス金利で住宅ローンは大チャンス到来?

マイナス金利になり、住宅ローンの金利も下がりました。住宅ローンを組んで住宅を購入するのには絶好のチャンス到来です。既にローンを組んでしまっている人も住宅ローンの借り換えで効果の出るケースも増えています。ここではマイナス金利でどれくらい住宅ローンがお得になるかを考えます。

住宅ローン金利の推移

マイナス金利導入後に住宅ローンの金利は大きく下がりました。固定金利のフラット35の金利は過去最低を更新し2016年5月現在で1.08%となっています。変動金利ではソニー銀行やじぶん銀行、住信SBIネット銀行等0.5%を切る水準まで金利が下がっています。5年固定や10年固定の金利も1%を切る金融機関もあります。

次のグラフはフラット35の直近5年間の金利の推移です。マイナス金利導入で金利が大きく下がったことがわかりますが、実はそれ以前も金利は低下傾向が続いていたことも読み取れます。2011年5月のフラット35の金利は2.63%だったのに対し、2016年5月の金利は1.08%。5年で1.5%以上も金利が下がった、ということになります。

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マイナス金利が返済額に与える影響

大きく下がった住宅ローン金利ですが、金利が下がったことでどれだけ住宅購入が有利に進められるかを考えてみます。フラット35で3,000万円、返済期間35年の住宅ローンを組む場合を考えます(元利均等返済とします)。金利が2.63%だった5年前の毎月返済額は109,350円なのに対し、金利が1.08%の2016年5月では毎月返済額は85,808円となります。同じ金額のローンを借りるのに毎月返済額で2万円以上の差が出ていることが分かります。また35年の総返済額では金利2.63%の場合には約4,590万円なのに対し、金利を1.08%とすると約3,600万円となり、約1,000万円得していることも分かります。

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もし毎月返済額を10万円にしようと思うなら、金利2.63%の時には2,743万円しか借りられませんでした。金利が1.08%に下がった今、3,496万円まで借りることができます。5年前と今では、毎月返済額が同じでも借りられる金額は大きく差が出ることも分かります。

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もちろん金利が低いからという理由だけでローンを組んで住宅を購入するのは正しい考え方ではなく、ライフプランを基に無理のない範囲の借入で住宅購入を進めていくのが望ましいと言えます。ただ、住宅ローンの金利が低いというのは住宅購入を有利に進めることができることは確かだと言えます。

マイナス金利で住宅ローンの借り換えも有利に

住宅ローンの金利低下は、これから住宅を購入する人だけでなく、既に住宅ローンを借りている人にもメリットが出る場合が多いです。住宅ローンを借り換えることで毎月返済額と総返済額を減らすことができます。7年ほど前に借りた変動金利1.475%の住宅ローンを借り換える場合を考えます。借り換え額を2,900万円とし、借り換え後の金利を0.497%(変動金利タイプ)とする場合の返済額の変化は以下のようになります。

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※今回は変動金利を利用する前提ですが、今後、金利は変わらないものとして比較しています。

この場合住宅ローンの借り換えで毎月返済額は2万円以上、総返済額は約300万円のメリットが出ることになります(総返済額には借り換えに必要なコストを加えています)。住宅ローンの借り換えには色々なコスト(登記の費用や、金融機関への手数料、保証料等)がかかるので必ずしも全ての人に借り換えのメリットが出るわけではありませんし、収入の変化や、その後の病気等により必ずしも借り換えができるとは限りません(※)。しかし金利の低くなった今、住宅ローンの借り換えでメリットの出る人が増えているのは確かです。今借りているローンの金利をチェックし、借り換えで効果が出るかどうかの検討をしてみるとよいでしょう。

※借り換え時には団体信用生命保険(団信)という生命保険の一種に加入しなければいけない(フラット35など一部の場合を除く)ことがほとんどなので、持病があったり、直近に病気をしていたりすると、団信に加入できず、結果的に住宅ローンの借り換えができなくなる場合もあります。

まとめ

マイナス金利導入後に大きく下がった住宅ローン金利ですが、すでにその前から金利の低下傾向は続いていました。同じ金額の住宅ローンを借りても、以前と今とでは毎月返済額も大きく違いますし、同じ返済額なら金利の低い今、より多くのローンを借りることができます。マイナス金利になった今、住宅購入には有利な環境にあると言えるでしょう。また既に住宅ローンを組んでいる人は「住宅ローンの借り換え」によってメリットが出ることが多いです。ご自身の住宅ローンの金利はいくらなのかチェックし、効果がありそうならば借り換えにチャレンジしてみるのもよいでしょう。

著者
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井上 光章

井上光章株式会社FPアルトゥル代表取締役
日本住宅保証株式会社取締役
一般社団法人日本モーゲージコンサルタント協会 監事
CFP 1級FP技能士

2007年より独立系ファイナンシャルプランナーとして住宅ローンのコンサルティングを行う。住宅購入者の住宅ローン相談、住宅ローンの借り換え相談の件数は9年で500組以上。保険の販売等は行わずコンサルティングフィーのみを収益とすることで中立的立場から住宅ローンのコンサルティングを行っている。住宅ローン借り換えコンサルティングでは、ただ毎月返済額を下げればいいのではなく、その家計のリスクを分析してローン選択に活かすことを提唱、オリジナルなコンサルティング手法でアドバイスを行っている。著書に『マイホームで年金をつくる』(共著)。住宅関連雑誌や住宅展示場等のWEBサイトへのコラム執筆も多く行う。ハウスメーカー等での講演も多数。

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