【実践】住宅ローン借り換え6回で分かったメリット・デメリットと選び方。

住宅ローンは低金利の状況が長く続いていました。昨年の日銀によるマイナス金利政策の発表により、さらに一段と住宅ローンの金利が低下しました。

またネット銀行の台頭により各社の住宅ローンの金利競争が激化し、現行、金利競争の時代は終止符をうちました。そして、金利競争以外の付帯条件を競う時代になりました。

上記の状況がありますので、住宅ローン借り換えのチャンス到来です。

私も日銀のマイナス金利政策発表以後、6回目の借り換えをしました。その経験に基づいて、住宅ローンの借り換えに失敗しない方法を書いていければと思います。

5分でわかる「住宅ローンの借り換えとは」

スマホの乗り換えをイメージ 金額の大きな違いはありますが「ドコモ」から「ソフトバンク」に乗り換えすれば、商品券をプレゼント、端末代金ゼロのメリットがあるのと同じように、住宅ローンの借り換えも「A銀行」から「B銀行」に乗り換えすることによりメリットを発生させることです。

正確には、現状借入している「A銀行」の住宅ローンの残債金額をすべて返済する。そして「A銀行」に返済する金額分を新たに「B銀行」から借入をするのが「住宅ローンの借り換え」です。

具体的に見てみましょう。

住宅購入時に「A銀行」より以下の条件で借入

借入金額 期間 全期間固定金利
3000万 35年  2%

これを10年間払い続けると、残債金額は約2340万円になります

これを借り換えなしに、全期間固定金利2%のまま25年間(残期間)返済すると

毎月の返済額 年間返済金額 総返済金額
99,181円 1,190,172円  29,754,463円

になります。

もしこれを、「B銀行」の全期間固定金利1%の住宅ローンに借り換えると

毎月の返済額 年間返済金額 総返済金額
88,188円 1,058,256円 26,456,275円

となります。差額をまとめると
「B銀行」の住宅ローンに借り換えすると 以下の差額金額がメリットになります。

毎月の返済額 年間返済金額 総返済金額
A銀行(金利2%) 99,181円 1,190,172円 29,754,463円
B銀行(金利1%) 88,188円 1,058,256円 26,456,275円
差額 ↓ 10,993円 ↓ 131,916円  ↓ 3,298,188円

メリットは1%の金利差により、それぞれの項目で上記のように大幅に削減できることです。

たった「1%」ですが、住宅ローンは長期間の借入、高額な金額を借入するため

なんと総返済金額で330万円の差額金額が生まれるのが大きなメリットです。

総返済金額とは?

「元本金額」プラス「期間利息」の合計金額です。元利均等返済か元金均等返済で総返済金額が変わってきます。今回は元利均等返済で計算しています。

元本金額とは?

当初借入した金額です。上記の例ですと3000万円です。10年経過後、総返済金額は2340万円になります。

基本的に住宅ローンは「元本金額」に対する「期間利息」を借入した銀行に支払いながら「元本金額」を返済する仕組みになっています。

住宅ローンの総返済金額をいかに低く抑える、そのカギは「期間利息」が握っています。

住宅ローンの借り換えのメリットは「期間利息」の安い金利に借り換えることによって発生します。メリットが発生するのは上記のように2%の商品から1%の商品に借り換えることです。

「A銀行の総返済金額」- 「B銀行の総返済金額」= メリット金額

上記のメリット金額がどのくらい発生するのかを判断材料にして住宅ローンの借り換えを実際にするかどうか判断します。

実際には、住宅ローン借り換えには諸費用が発生します。上記の場合ですと、約70万円前後の費用が必要になります。

330万円(差額金額)- 70万円(諸費用) =260万円(実際のメリット金額)

正確には上記のメリット金額になります。

いつから始めるのがベスト? 住宅ローンの借り換え時期

借り換え実行日の3か月前にスタートするのがベストです。

住宅ローンの借り換えには大きく分けて「仮審査」「本審査」「借り換え手続き」の3つがあります。

1.「仮審査」

申し込みと理解して良いでしょう。申し込み用紙(1枚)に必要事項を記入するのみです。ネット銀行の場合、ホームページ上で手続きできます。

金融機関によりバラツキがありますが、10日前後で結果がでます。

2.「本審査」

仮審査を通過すると、本審査に入ります。仮審査と違い、多数の提出書類が必要になりますので、時間と労力が必要になります。

一般的に添付書類は「印鑑証明書」「世帯全員の住民票」「源泉徴収票」「住民税決定通知書」「売買契約書」「重要事項説明書」等です。

通常2週間前後で結果がでます。しかし、金融機関の込み具合もあり仮審査よりは長くかかることを覚悟しておきましょう

私の場合、直近で借り換えを実施したネット銀行の場合1か月半かかりました。ちょうど、日銀のマイナス金利発表以後、借り換えが殺到した時期だったからだとおもいます。

3.「借り換え手続き」

借り換え先の金融機関の融資実行日に合わせて、今、住宅ローンを借入している金融機関に事前に「住宅ローン完済手続」をする必要があります。融資実行日の10日前後前に手続きが必要です。

上記3点が住宅ローン借り換えの流れです。3か月前にはスタートするのが得策です。

住宅ローンのベストな借り換え、まず最初にすること

まず最初に、今借入している住宅ローンの詳細を正確に把握することです。

はじめて自宅を購入した時は、自宅を選択するのに精いっぱいです。住宅ローンに関しては不動産業者のいわれるままに契約したのが現実ではないでしょうか。

私がはじめて自宅を購入した時もそうでした。住宅ローンの借り換えを2回、3回と重ねる内に住宅ローンの真髄が見えてきました。

本来は数回重ねないとわからない住宅ローンの真髄を伝授しますので、みなさんは1回の借り換えでベストな選択ができると思います。

今借入している住宅ローンの詳細を把握するポイントは?

住宅ローンのタイプは大きく分けて3つあります。

A.「全期間固定型」

借入した時に全期間の金利が固定されるタイプ。35年期間固定型金利1.2%の場合35年間、ずっと金利1.2%のままで借入できるタイプです。

一般的に3タイプの中では金利が一番高いのですが、現状の低金利を借入期間中固定できるのが最大のメリット。

借り換えをするなら、35年期間固定型を選択するのがベストな選択です。

B.「固定期間選択型」

3年、5年、10年と金利を固定する期間を選択でき、固定期間終了後、変動型、他の期間固定型に変更できるタイプです。

10年期間固定で0.55%と変動型と同等金利の商品も存在しています。10年で完済する計画であれば、ベストな選択です。

しかし、期間35年設定で当初の10年期間固定を選択すると、残りの25年は金利が固定されていませんので、金利が金利が上昇する可能性があります。

期間設定が長期の場合は、全期間固定型を選択するのが得策です。

C.「変動型」

借入期間中金利が変動するタイプです。

半年ごとに金利を見直しするのが一般的で、3つの中で金利が一番安いのが最大のメリットで、金利0.5%~0.6%が一般的です。

デメリットとして現状の金利は安いが、長期(30年、35年)の期間設定には金利上昇時の大きなリスクが存在する。

上記3つの内のどのタイプなのか把握することが住宅ローン借り換えのスタートラインに立つことです。

住宅ローン期間35年の変動金利タイプには大きな落とし穴がある!

実際には、住宅を購入した不動産業者に進められるままに、期間35年の変動金利タイプを選択しているケースが多いですね。

不動産業者はできるだけ高額な物件を販売するために上記の条件の住宅ローンを進めます。

住宅ローン金利、期間別借入金額表
年収 基準 年間返済金額 金利 借入期間 借入金額
600万円 20% 120万円 0.5% 35年 3.852万円
600万円 20% 120万円 1.0% 35年  3.543万円

上記の表は 年収600万円の場合の一般的な借入可能な金額です。

金利が0.5%の場合と1.0%の場合の借入金額に注目してください。約300万円の差額金額があります。金利が安いほど住宅ローンは多く借入できます。

金利0.5%は変動型の金利、金利1.0は全期間固定型の金利です。

金利0.5%の差が借入金額が約300万円の差になります。

上記の差額金額があるため不動産業者はできるだけ高額な物件を販売するため、変動型タイプを進めます。

しかし、変動型タイプには大きな落とし穴が潜んでいます。

借入金額3000万円 借入期間30年の場合
    金利 毎月の返済額 年間の返済額 総返済金額 差額金額
1 全期間固定型 1.0% 9万6491円 115万7892円 3473万6908円
2 変動型(1年~30年) 0.5% 8万9756円 107万7072円 3231万2288円 ↓ 242万4620円
3    変動型(1年~5年) 0.5% 8万9756円 107万7072円 538万5360円
変動型(6年~10年) 1.5% 10万1212円 121万4544円 607万2720円
変動型(11年~30年) 2.5% 11万1145円 133万3740円 2667万4800円
合計 3813万2939円 ↑ 339万6031円

上記の住宅ローン、全期間固定型、変動型比較シミュレーションのお話をします。

1、全期間固定型と2、変動型を比較すると、総返済金額の差額が約242万円。期間金利0.5%の差が約242万円の差額金額を生み出します。すごい金額ですね。

0.5%の金利が30年間続くと、全期間固定型と比較して、約242万円得になります。

しかし、変動型は名前のとおり金利が変動します。現行の金利が30年間そのまま続くとは考えられません。

現行の金利が最低ラインです。上がることはあっても、下がることは考えづらいです。

3、の項目をみて下さい。現行の金利 0.5%が6年後 1.5% 10年後 2.5%に上昇した時のシミュレーション金額です。

なんと、全期間固定型と比較すると、約340万円も多く支払うことになります。住宅ローンの金利差はホント、恐ろしいですね。

結論として、最初から全期間固定型を選択しておいた方が得になりますね。

目先の金利の安さにだまされてはいけません。住宅ローンは30年、35年と長いスタンスで判断すべきです。

不動産業者はできるだけ高額な物件を販売するため、住宅ローンの借入金額が多く設定できる変動型タイプを進めます。

また、家賃並みの支払いで住宅購入できますというセールストークで、期間35年変動型タイプを進めます。確かに毎月の返済金額は安く設定できます。

これは、だましのテクニックです。金利が上昇すれば、家賃並みではなく、毎月の返済金額が当初の1.5倍になる可能性があります。

販売出来れば良いわけですから、目先のことしか考えていません。お客様の立場に立って、長期的スタンスで考えていません。

長期的スタンスで考えるのはあなた自身です。

最初に住宅購入した時は、ほとんどが不動産業者の提案した住宅ローンにそのままハンコを押しただけで契約しているのがほとんどではないでしょうか?

期間35年変動型であれば、即刻、全期間固定型に借り換えを検討しましょう。

住宅ローン借り換えをするべきか?判断基準は?

まずは総返済金額(元金+期間利息)を算出し、今借入している住宅ローンの総返済金額と今後借り換え予定の住宅ローンの総返済金額を算出します。

最後に差額金額を算出して、借り換えをするかどうかの判断基準にするといいと思います。

はじめに話した内容になりますが、金利2%→1%に借り換えすると

330万円の差額金額(メリット金額)がでます。

しかし、住宅ローンの借り換えには多額の諸費用が必要になります。

事務取扱手数料 43万円
収入印紙税 2万円
抵当権設定、抹消費用 15万円
合計金額 60万円

残債金額2000万円で期間25年の住宅ローンに借り換えると、約60万円の諸費用が必要になります。

諸費用の合計金額は金融機関によって増減します。ですので金融機関よっては、金利は安いですが、諸費用合計が高い場合もあります。

総返済金額+諸費用の合計金額を算出して借り換えして得かどうかの判断をする。

上記の判断基準があくまでも基本になります。どの金融機関にするかの判断基準です。

しかし、結論を先にお話しますが、各金融機関の金利競争が激化したため、上記の基準を判断材料にしても大きく差が出ない時代になりました。

ではどの判断材料を基準すれば良いか?

金利以外の付帯条件を検討材料にしましょう。

付帯条件とは?

私が一番メリットとしておすすめするのは病気入院した時に、住宅ローンの支払いを免除してくれる保険が付帯される住宅ローンです。

過去住宅ローンは団体信用生命保険に加入(民間の金融機関は強制加入、フラット35は任意加入)が条件で契約できる制度になっていました。

フラット35とは住宅支援機構が民間の金融機関と提携している住宅ローンです。

団体信用生命保険は住宅ローンの契約者が死亡、又は高度障害者になった時に住宅ローンの残債金額が免除される制度です。残された家族は支払い義務なしの制度です。

上記制度にプラスして、がん、脳卒中などの8大疾病保証で付帯条件として無償で付く商品も登場しています。

上記制度は条件次第では住宅ローンの残債金額が免除される制度です。私も上記制度をメリットに感じたので今回の借り換えを実施しました。

毎月の返済金額が免除されるので、その支払い分の医療保険に加入しなくても良いという考え方もできます。

借入金額が多額になるほどメリット金額は大きくなります。

住宅ローンを借入すれば、おまけで生命保険、医療保険が付帯条件として付くということです。

他に金融機関によって、色々な付帯条件が存在しますので借り換え時の直接交渉で付帯条件を引き出す交渉をするべきです。

まとめ

住宅ローンは高額な金額を借入します。また長期的(30年、35年)の借入になります。更に住宅ローン借り換え時は時間と労力、また多額のお金(諸費用)がかかります。

1回の借り換えでベストな状態にするべきです。私の体験談がお役立てれば幸いです。

著者
katotaro
加藤 太郎

宅建士
管理業務主任者

自宅マンションの購入、賃貸、売却を経験し不動産に魅了される。宅建士、管理業務主任者の資格取得、住宅ローンの借り換えを6回実施。金融機関との金利交渉を数多く経験しており、自身の不動産売買、住宅ローンの借り換え経験をもとに、買い手側に立った記事を不動産サイトに投稿中。

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