住宅ローン借り換えなら、マイナス金利の今が最高?

日銀のマイナス金利導入後、下がり続けている住宅ローン金利。これから住宅購入予定の方はもちろん、現在住宅ローン返済中の方も、「我が家の住宅ローンも借り換えで金利が下がってお得になるの!?」と期待を膨らませたことでしょう。実際、とある金融機関への住宅ローン相談の件数は、借り換えなどで例年の6倍以上に達しているとの報道もありました。
2016年3月の適用金利は変動にせよ固定にせよ多くの金融機関で過去最低金利を記録していますし、4月は更に下げたところもありますので、自分の住宅ローンの金利が低くなるかも、という期待は当然だと思います。

マイナス金利でも返済中の住宅ローン金利は変わらない?

ですが、住宅ローン返済中の方の場合、全員がその恩恵を受けられるわけではありません。なぜなら、自動的に適用金利が下がって返済額が下がったりするわけではないからです。

「変動金利なら下がるんじゃないの!?」

と思われるかもしれませんが、現在住宅ローンを返済中の方の多くの場合、黙っていても金利は下がりません。これは住宅ローン金利の決まり方と、各金融機関の金利体系のためです。

固定金利と変動金利はそれぞれ基準になる金利が異なり、固定は長期金利(新発10年国債利回り)、変動は短期プライムレートがその指標になっています。特に分かりづらい、変動金利について詳しくみてみましょう。

マイナス金利でも返済中の住宅ローンが安くならないワケ

変動金利は、その指標になっている短期プライムレートに、概ね1%を上乗せしたものが基準金利となっています(金融機関ごとに異なる)。
2016年3月の短期プライムレートは1.475%ですので、2.475%というのが住宅ローンの基準金利となります。ですが、現在この基準金利で住宅ローンを貸している金融機関はほとんどありません。基準金利から一定の金利を引いた優遇金利で貸しているのです。
(例)みずほ銀行・2016年4月適用・変動金利の場合
基準金利(=店頭表示金利)…2.475%
優遇金利(=適用金利)…0.625%(店頭表示金利より1.85%優遇)

優遇幅は金融機関によって異なるため、適用金利が0.6%台だったり1.0%台だったりするのですが、変動金利で借りている方は、この基準金利が下がらないと実際の返済額は下がりません。ですが、短期プライムレートは2009年1月から1.475%のままで、これはマイナス金利導入後も変わっていません。
https://www.boj.or.jp/statistics/dl/loan/prime/prime.htm/
(日本銀行 短期プライムレートの推移)

したがって固定金利の方はもちろん、変動金利の方も、マイナス金利だからと言って返済中の住宅ローンの金利が下がるわけではないのです。

では返済中の方がマイナス金利の恩恵を受けるにはどうしたらいいのか、というと、その方法の一つとして注目されているのが住宅ローンの借り換えです。以下、借り換えの概要と検討する際のポイントを見ていきます。

住宅ローンの借り換えとは?

借り換えは現在返済中の住宅ローンを別の金融機関で借り直すことで、新たな金融機関からの借り入れで現在の金融機関に全額返済し、以後は新たな金融機関へ返済していきます。

借り換えの目的は主に以下の3つです。
①金利(総返済額)を下げる
②返済月額を下げる
③金利上昇リスクを避ける

いずれの目的の場合でも、借入残高、残期間、そして借り換え前後の金利差が大きければ大きいほど効果が高いので、マイナス金利で住宅ローン金利が下がっている現在は借り換えのタイミングとしては最も良い時期であることは間違いありません。特に変動金利では、優遇幅がまだ今ほど大きくなかった2009年より以前、固定金利(フラット35)では過去最低金利を付け出した2014年より以前に借り入れてる方は、現在の金利との金利差が大きい可能性が高いため借り換えによるメリットが大きいと考えられます。

借換え例

2009年4月融資実行
借入額3000万円・返済期間35年・変動金利1.475%・元利金等返済
2016年4月借り換え融資実行
借入残高2583万円・残期間28年・変動金利0.625%(金利差0.85%)
【借り換え前】月額93,885円
総返済額31,545,507円
【借り換え後】月額83,817円(10,068円減)
総返済額28,162,553(3,382,954円減)
✳︎借り換え手続きには諸費用がかかりますので実際のメリット額は
ここから諸費用を引いた金額になります。

借換えの注意点

上記の例のように、金利差がそれほど大きくなくても上手く条件に当てはまれば効果の大きい借り換えですが、金利削減効果だけを見て安易に借り換えるのは要注意です。「借り換えるだけ」と考えず、新たに住宅ローンを組む時と同様に考える必要があります。
将来必要になるお金を準備しつつ残り期間きちんと返済していけるか、ライフプランと未来のキャッシュフローをシミュレーションし、先に述べた3つの目的のどれが最も適した借り換え方法かを考えることが借り換え成功のポイントです。
とは言え、現在のような低金利がいつまで続くかはわかりませんし、借り換え手続きはそれなりに手間と時間が必要なのも事実。借り換えでメリットが出そうな方は早めの着手も重要です。

著者
wakamatsu
若松 達也

有限会社クレスト 代表取締役CFP®(ファイナンシャル・プランナー)
1級FP技能士
トータルライフコンサルタント(生保協会認定FP)

外資系保険会社、生命保険代理店勤務を経て現職。延べ1000件以上の家計相談の経験の中で、特に子育て世代のライフプランニングを得意とする。住宅購入の際、自分自身が非常に苦労した体験から、住宅ローン相談には特に力を入れるようになる。個人相談はもちろん、住宅ローンセミナーなどを定期開催し、安心で安全な住宅ローンプランの助けになる活動に注力している。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


アンケート

マイナス金利はチャンスだと思う?

みんなの回答を見る

読み込み中 ... 読み込み中 ...
ページ上部へ戻る