マイナス金利のメリット・デメリットは?

「金利」というと、銀行預金金利住宅ローン金利が真っ先に思い浮かぶという人は多いのではないでしょうか?2016年1月、日本ではマイナス金利導入が発表されましたが、これは私達が銀行に預けている預金金利が即マイナスになるという意味ではなく、銀行などの金融機関が日本銀行に資金を預けるときの金利が政策的にマイナスの金利とされたに過ぎません。では、マイナス金利で私達個人が受ける影響にはいったいどのようなものがあるでしょうか?メリットとデメリットに分けてみました。

 

マイナス金利のメリットを受けられるのは?

マイナス金利によりメリットが大きくなるのは、利息の支払いをする側といえます。住宅ローン金利に代表されるような「お金を借りることによって支払う利息」がそうです。ほかに自動車ローン等の各種ローンや事業資金の借り入れ等、さまざまな「借り入れ」も同じです。

住宅ローンは借入額が大きく返済期間も長いため、少しの金利の違いに見えても、金利が下がればトータルの返済金額への影響は見逃せないものとなります。ただし、ここで金利といっても住宅ローンに適用される変動金利と固定金利とでは、その金利の動き方が異なる点には気をつけたいところです。

マイナス金利の影響を受け、住宅ローン金利は低下を続けていますが(2016年3月8日現在)、住宅ローンなどの貸し出しから得られる利息収入は、今後、銀行等の収益源として一層重要なウェイトとなっていくことが予想されます。

そうであれば、今後金融機関がどこまでも金利を下げてくるか、もしくはどこまで金利を下げられる体力があるかなど、現時点では未知数と言わざるを得ません。

「もしかして住宅ローン金利もマイナス金利になって借りている側が利息をもらえるのでは?」などと考えて、借り時、借り換え時を逃さないようにしたいものです。

 

マイナス金利のデメリットは?

では、マイナス金利によってデメリットを受けるものは?というと、真っ先に思い浮かぶのは、銀行等に預けている定期預金等の金利でしょうか。つまり私達が銀行に預金をしても、今でも決して多くはない受取利息が一層減ってしまう可能性があります。

「資産運用」という面ではほかにも影響を受けるものがあります。それが債券です。日本では10年物国債の利回りが長期金利の指標とされていますが、この債券マーケットは債券の需給にや先行きの金利予測に敏感に反応して日々値が動いていきます。

この債券の動きは金利と密接な関わりを持ち、基本的に、世の中の金利が下がると債券価格が上がり、世の中の金利が上がると債券価格が上がるのがセオリーです。

マイナス金利発表後、この債券マーケットはいち早く反応し、債券価格が上昇、”利回り”は低下しています。資産運用で債券をすでに持っていたという人にとっては有利な状況です。

それに引き替え、これから購入する債券は高値で買う事になるので利回りは低下、また、新規発行の債券であれば適用金利は既に下がってしまっているため、運用のメリットは薄くなってしまいます。

 

マイナス金利の影響を受ける金融商品は?

このようにマイナス金利の影響を色濃く受ける債券ですが、この債券で主に運用される金融商品もまたマイナス金利の影響を受けます。そのひとつが、円建MMF(公社債投資信託)です。MMFについては今後の債券マーケットでの運用が難しくなるため、すでにマイナス金利発表直後から販売停止が相次ぎ、現在すべての運用会社で新規販売が停止となっています。

また、債券の影響を多く受けるものといえばもうひとつ、保険があります。保険の多くは債券で運用されているからです。こちらもMMFと同様の理由で一時払終身保険等の貯蓄性の高いものを中心として販売中止が順次発表されつつあります。

 

為替もマイナス金利の影響を受ける

さらにこのような金利の動きは、為替レートにも影響を与えます。世界の通貨の流れは、金利の高い通貨に流れていく傾向があります。金利が低下すれば、その通貨は売られる材料となり下落原因になり、円安の流れとなります。

このように、マイナス金利は基本的には円安材料ですが、原油安や新興国や他国の経済の不調を受けて世界的に安全資産と見られている円に資金が集中しがちである面も見逃せません。そうなると円が買われ、円高方向へ向かいます。実際、マイナス金利発表からは円高に振れています。

 

マイナス金利によるデメリットを最小限にするには?

このようにマイナス金利の影響といってもメリット・デメリットの双方あり、さらに今後どのような動きとなっていくのか読みにくい現実があります。

そうであれば、マイナス金利だからといって無闇に動揺することなく、どんな状況になっても対応できるよう”マイナス金利から受ける影が異なる資産間”で「資産を分散」しておくことがポイントとなります。

 

また、マイナス金利のメリットを最大限に受けるためには、例えば住宅ローン金利の低下を捉えて機動的に住宅購入や住宅ローン借換に動けるようあらかじめ準備を整えておくことも大事です。そんな普段からの準備がどれだけできるかがマイナス金利時代を上手に乗り切るコツとなっていくことでしょう。

著者
fukusima
福島 えみ子

リュクスセオリーFPサロン 代表
ファイナンシャル・プランナー(C FP®・1級FP技能士・住宅ローンアドバイザー((財)住宅金融普及協会))

複数の銀行を経て、相続、金融、不動産等の民事案件を扱う法律事務所に転職。その後、独立系FP会社にて勤務。数百件の個人相談を担当すると共に、セミナー、執筆と幅広く活動。2014年独立。相続・資産運用・住宅相談・リタイヤメントプラン等を得意とし、個人相談にも力を入れる一方で、セミナーや企業研修、執筆を通じてわかりやすくお金の知識を発信することに注力している。

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